医療情報技師試験は、
医療とITの両方に関する知識が求められる資格試験です。
しかし、受験者の多くは企業勤務者であり、
医学・医療系に関する学習が初めてという方もいらっしゃいます。
そのため、医学分野の問題に対して
「専門用語が難しい」
「範囲が広すぎて手が回らない」
といった苦手意識を持つ人が少なくありません。
この記事の内容
- 医療情報技師、医学・医療系のつまずきポイント
- 医療情報技師、医学・医療系の攻略法
現役医療事務講師のすずきです。
現在も医療機関での仕事に携わりながら講師をしています。
第22回(2024年度)医療情報技師認定試験に初受験&独学で合格してきました。
医療情報技師は独学でも十分合格を目指せる資格です!
本記事では、
試験範囲の中でも医学・医療系のつまづきポイントから攻略法まで、
試験データを元に解説します。
試験を受けようと考えている方、
医学・医療系分野に苦戦している方は是非ご覧ください。
なぜ医学・医療系が苦手と感じるのか?
医療情報技師試験を受験する人のデータを確認すると、
企業の方が最も多くなっています。
そのため、日常業務で医療情報システムを扱うことはあっても、
医学そのものに触れる機会が少なく、
試験の医学分野に苦手意識を持つ方が多くなるのではないでしょうか。
実際、過去の試験データを見ると、
情報処理技術系・医療情報システム系に比べて医学・医療系の得点率が低い傾向があります。
2024年度試験結果
情報処理技術系 | 医療情報システム系 | 医学・医療系 | |
合格判定基準 | 64点以上(100点満点) | 74点以上(120点満点) | 68点以上(100点満点) |
平均点(得点率) | 62.2(62.2%) | 72.9(60.8%) | 67.2(67.2%) |
2023年度試験結果
情報処理技術系 | 医療情報システム系 | 医学・医療系 | |
合格判定基準 | 66点以上(100点満点) | 66点以上(120点満点) | 50点以上(100点満点) |
平均点(得点率) | 64.3(64.3%) | 65.2(54.3%) | 49.97(49.97%) |
この結果から、
医療従事者ではない受験者の多くが「専門用語が難しい」「試験範囲が広すぎる」といった壁に直面していると言えます。
では、医学・医療系の何が難しいのか、
どこでつまずきやすいのかを見ていきましょう。
医学・医療系の試験内容と「つまずきポイント」
試験で問われる医学・医療系の範囲
- 医学の基礎知識:解剖学・生理学、 人体の構造や機能に関する基本的な知識
- 医療制度・政策:医療保険制度、個人情報保護法、医療安全管理など
- 医療現場の理解:医療行為の流れ、診断や治療に使用する機器の基礎
受験者がつまずきやすいポイント
- 範囲が広い
- 解剖学・生理学から疾患、医療保険制度など幅広く出題されるため、どこから手をつけていいかわからない。
- 最新の情報も問われる
- 例えば、令和6年度は診療報酬改定もありオンライン資格確認についても出題がありました。最新の情報も出題されるため参考書だけではカバーしきれない部分があります。
医学・医療系の攻略法①:過去問データから頻出ポイントを押さえる
過去問の分析で頻出箇所を把握する
過去の試験問題を分析すると出題傾向がある程度つかめてきます。
まずは出題問題数の平均ですが、
公式テキストの医療情報 医学・医療編第7版の分類で分けていくと、
医学・医療総論 | 4 |
社会保障・医療制度 | 10 |
医療管理 | 4 |
医療プロセス | 2 |
医学・薬学・看護学 | 10 |
検査・診断 | 7 |
治療・処置 | 2 |
診療録およぼその他の医療記録 | 3 |
臨床医学研究 | 4 |
医学・医療統計 | 3 |
臨床データベース | 2 |
これは過去6年分を筆者が分類した上で平均値を出したものです。
社会保障・医療制度と医学・薬学・看護学は出題数が多くなっていますが、
その分出題範囲も広くなっています。
全体的にまんべんなく出題されるため、
知識がある分野があればそこから重点的に。
全体的に初めて触れる分野が多い方は出題範囲が狭いところのポイントをしっかり押さえていくことから始めた方がいいでしょう。
「過去問で学ぶ→解説を読む」を繰り返す
- まずは 過去問を解く → どこが理解できていないかを確認
- 解説を読みながら、 そのテーマの基本を復習
- 同じ分野の問題を複数回解き、理解を定着させる
医学・医療系の攻略法②:最新情報も学ぶ
医学・医療系では、
最新情報の出題もあります。
2024年は診療報酬改定の年であり、
マイナ保険証も話題になることが多かった年です。
そのため、
オンライン資格確認について問われる出題が見られました。
また、電子処方箋についての出題も過去にみられます。
電子処方箋は導入率が高いとは言えない状況ではありますが、
知識は今後必要であると出題者側も考えていることが伺えます。
まとめ:医学・医療系は「重点学習」と「最新情報」で攻略!
- 医学分野は 範囲が広く、最新情報も出題される ため、多くの受験者が苦手と感じる。
- 過去問分析で頻出テーマを優先的に学習し、効率よく得点源にする。
- 最新情報にも気を配る。
「出やすいところを重点的に学ぶ」
「最新情報を押さえる」 ことで、
しっかり対策していくことは可能です。
医学・医療系が苦手だなと感じる方も是非この記事を参考に学習をしていっていただけると嬉しいです!
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